聞こえる人も聞こえない人も言語の壁を超えて楽しめるバスケを目指し、『デフバスケの特徴』の更なる創出にチャレンジし、デフスポーツの価値を高めていく

聞こえる人も聞こえない人も言語の壁を超えて楽しめるバスケを目指し、『デフバスケの特徴』の更なる創出にチャレンジし、デフスポーツの価値を高めていく

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デフスポーツにおける支援技術
〜競技特性・ルールと技術との関係〜
論文
発表資料
【情報処理学会研究報告】
ろう・難聴者に適したバスケットボール試合中の情報伝達法

ー片手サインの提案と情報伝達手の導入ー
論文
発表資料


私たちは、デフと聴者、そして多種多様な人たちをつなぎ、共生社会を実現します。


一般のバスケットボール競技では、試合中に声で味方とコミュニケーションを取っています。お互いの声がけによってプレイの精度が上がったり、声出しによる連携で盛り上げたり、試合中にすぐに意思疎通できるコミュニケーション方法のひとつとしても「声」は重要視されています。しかし、聴覚に障がいを持っているデフは声が聞こえない、もしくは聞き取りにくいので、声をメインにしたチーム作りや戦術内容などでは致命的になります。

強いチームは強い選手が集まるだけでは実現できないと思います。試合で勝つために戦術を共通理解するためのコミュニケーションは絶対に必要です。「手話がないとコミュニケーションが取れない」と一辺倒で考えるのではなく、みんな一人一人が「何を、どのようにして、伝えるか」を考えないといけないと思います。


「声」の代わりになるものをつくれないか
将来的に「声」と一緒に活用できれば、聞こえる人も聞こえない人もストレスなくバスケを楽しめるかもしれない


私たちは、聴力の良し悪しで区別せず、声の代わりになるものとして「目と手」で意思疎通できる方法のひとつとして「サインバスケットボール」を提案・探求しています。

ただ「声」を排除しようとしているわけではなく、「声」に「目と手」も合わせて、多言語・多種多様な人たちと一緒にバスケを楽しめるようになるんじゃないかと思うとワクワクしてきます。

> バスケにおける「声」の重要性

その過程で、聞こえる・聞こえないに関係なく、みんなでバスケットボール競技を持続的に競い、楽しめる環境づくりを目指しています。そして、デフバスケットボールの特徴づくりに貢献していきたいと考えています。


オノマトペと手話表現CL


バスケの指導中にイメージが伝わりやすいようにオノマトペを取り入れることがあると聞きます。例えば、「ガチガチに力が入ると細かいシュートタッチができません」のガチガチが擬音でオノマトペと言います。他にも下記の例があります。

  • パッと飛べ、パッと割り込め
  • グッと力を入れろ
  • バタバタと足を動かせ

日本手話にはこのようなオノマトペが存在しないと言われていますが、CL(Classifier:クラシファイアー)と言われる世界共通の表現方法があります。「厚い/薄い」「長い/短い」「速い/遅い」の様子を身振り(ジェスチャー)に近い感覚で表現するので、言語が異なる者同士でもコミュニケーションが取りやすいメリットがあります。

★チャレンジしてみてください
 外国人に、「長い(Long)」「短い(Short)」を身振りで伝えようと思ったら、あなたはどのようにやりますか?


言語とは、ある特定の集団が用いる、音や文字による事態の伝達手段である


実際にデフの中でも使う言語が下記の通り「日本語」と「日本手話」に分かれています。

発声日本語:日本における一般的な音声言語の指す
手指日本語:手指で日本語を視覚化したもので、文法体系は日本語に準拠
日本手話 :手の形、位置、動きをもとに、表情も活用する独自の文法体系をもった視覚言語



デフバスケットボールの特徴を明確につくる!


一般的に、「デフバスケットボール」とは聴覚障がい者(デフ)がプレイするバスケットボール競技を指し、競技ルールも一般のバスケットボール競技ルールと同じです。

そのため、一般のバスケットボールとの違いがわかりにくく、デフバスケとしての特徴もなくイメージが弱く、今の今まで社会認知度が低かった原因のひとつだと考えています。なぜならデフバスケットボールで「競技として教えられるモノ(技術や考え方など)」がないからです。

また、車椅子バスケットボールの選手たちと交流するとき、デフバスケットボールの選手が車椅子に乗るだけではなくて、車椅子バスケットボールの選手たちにも声の代わりに「サイン」を使うことで初めて対等にバスケットボールを楽しむことができると考えています。

「サインバスケットボール」はこれらの実現を目指し、アメリカのようにデフバスケットボール競技を支えていきたいと考えています。


○ 上のアイコンは、耳を表し、主に耳で声や音などで情報を送受信する人々を示しています。

○ 左下のアイコンは、手を表し、主に手を使って情報を送受信する人々を示します。

○ 右下のアイコンは、目を表し、主に目で情報を送受信する人々を示します。

それぞれの特徴を持った人たちが、言語の壁を超えて、大好きなバスケットボールを共に楽しんだり、競ったりする共生社会を目指します。

©️Designed by Chichun(デフデザイナー)



SDGsの取り組み


手話には、独特な文法/音韻/語彙があると認められ、日本語とは全く違う言語として法律で保護されていますが、日本社会は当然、日本語で生活する人がほとんどです。それに対して手話で生活している人はやはり「おいてきぼり」にされやすい状況にあります。

たとえ日本語を使った、もしくは日本語が使えたとしても聞こえないという事実は変わらないため、結局は「おいてけぼり」は完全にはなくならないと考えられるので、「サインバスケットボールでよりよい社会づくりに貢献したい」と考えています。



耳が聞こえないメジャーリーガー ウィリアム・ホイ

ナンシー・チャーニン 文/ジェズ・ツヤ 絵/斉藤洋 訳


聴覚障害がありながらも、アメリカ大リーグで活躍した実在人物を描いた絵本です。ウィリアムはオハイオ州立ろう学校を卒業し、靴修理店で働いていたが、野球の才能を認められ、野球選手になります。彼が活躍した19世紀末~20世紀初頭は、障害に対する理解も低く、手話も普及していませんでした。彼はそのハンデも前向きに捉えて、審判のジェスチャーや、作戦を伝えるサインを考案し、試合のやり方に影響を与えてきました。センターの名手としても大リーグで活躍し、多くの人に夢と勇気を与えました。




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