※このページにアップしている写真や動画は可能な限り画質を落としています。

 2014年から6年間、小中高学年向けのバスケットボールクリニックを個人的に開いて、「本気でバスケが上手くなりたい!」と思っている、聴覚障がいを持つ子どもたちや地元の子どもたちに、口話と手話を使ってバスケットボールを教えたり、実績豊富で著名な指導者に来て頂いて講習会(手話通訳者付き)を開いたり、様々な交流大会に参加したりしてきました。

山崎クリニック
山崎クリニック
中川クリニック

 2019年にポーランドのルブリンで行われた、第5回デフバスケットボール世界選手権に女子日本代表監督として、非営利活動法人日本デフバスケットボール協会(JDBA)から派遣されました。戦績はベスト8で世界ランキングも15位から9位に浮上しものの、やはりアメリカとヨーロッパのレベルは高く、育成の時点から既に差が出ていることにショックを受けました。また、現地でたくさんの指導者や選手の方々とお話したりして、さらに刺激を強く受けました。

ポーランド出発前
試合前の選手ミーティング
他の参加国の監督や審判、選手たちと交流、色々な国があって、色々な育成事情があることを学びました


↑鬼ならぬ、酢だこの金棒で反応を磨きます
↑アプローチ1on1の練習風景です
↑まず、試合で活きたドリブルを目指し、そこからスケアクロウの思想を取り入れて、意図を隠して意思のあるパスを出せるように頑張っています

 刺激を受けて帰国した私は早速、前から興味のあったアメリカやヨーロッパのバスケットボールの育成と歴史を自分なりに勉強しました。

 あちこちの講習会で学んだことも含め、NBA選手が使うような様々なスキルを自分で試して「使える!」と思ったものは積極的に取り入れて、育成年代向けに噛み砕いたものを準備して教えてきました。

『子どもたちにもっと、色々な指導者から、色々なバスケットボールを教わって、もっと楽しいバスケットボールを知ってほしい』

『自分自身も、育成に特化したコーチングをもっと学びたい!』


…と年々気持ちが高まり、本気で覚悟を決めて、活動資金が比較的集めやすい非営利徹底型の一般社団法人『B-BALLY'd』を立ち上げました。

いつぞやの練習風景、楽しくやっています
障がいに関係なく、お互いの人格と個性を認め合い、ともに競い、学び、挑戦し続けられる環境をつくっていく

『 B-BALLY'd 』の由来

BasketBALLALLYを重ね、deafを「and」の意味も含め、アポストロフィー風にくっつけました。ちなみに、ALLYは「協調・団結」という意味があります。

サブタイトルとして、日本のバスケットボールの中にデフバスケットボールがあり、共に進化し続けるという意味で、『 BasketBALL and deaf, JAPAN 』にしました。

私たちビバリードが特に大切にしているのは、下の3つです。

①当たり前のことを当たり前と思わずに感謝する心を持とう
②悔いのないように毎日を生きよう
③挑戦し続けよう

「そこにバスケがあって当たり前」ではなくて、いろんな人のおかげでバスケットボールが出来ていると知って欲しいのです。応援してくれる人(親御さん)がいて、バスケを教える人(コーチ)が教えてくれるからこそ、はじめてバスケができるのだと思っています。その人たちに感謝の心を持って、バスケットボールに楽しく取り組んでほしいです。

「悔いを残さないように」と言っていますが、どんなに頑張ったとしても、後悔は残るものかもしれません。でもやらない後悔より、挑戦してやってみての後悔にしてほしいと思います。そこからまた次へのステップへきっと繋がると信じて、これからのバスケットボール生活を思い切り楽しんでほしいと願っています。

成功を知るためには、まず失敗から学ばなければならないと考えています。そのためには、失敗を恐れずに挑戦し続けることが大切だと思います。失敗をしても委縮せず、きちんと振り返って同じ失敗を繰り返さないように学んでいける環境を作りたいと思っています。