inspire DEAF basketball team 選手兼監督
愛知県選抜U-13サポートスタッフ
高橋スポーツクラブバスケットボール教室運営代表

■NBAにどうやって入ったか
・当時教えていた高校で目の前の選手を毎日モチベートして、上手くしようと全力で動いていたら声が掛かった(政治的に動いたり、下手なアプローチをすることより、「コーチ」として徹することの方が大切)
・特にどう交流すれば良いかは女子を経験して学んだ。厳しい口調だけでなく、声のトーンや雰囲気、普段の関係づくりを学んだ。それがNBAで役に立っている。 

■高校時の練習構成
・ブレックファーストクラブ(朝練)*学校の前に練習。
・スキルワークアウト30mins→チームプレーの確認30-35mins
・学校後
スタディーホール(学校の勉強をチームでしてから)→チーム練習

■メリーランド女子チームで学んだ事
・喋る時のトーンが大切(叫んでも通じない)
・どうやってハードにプレーさせるのか。説明や目的を伝える。(オールドスクールの教え方では厳しい)
そこには選手の意思を確認、信頼、選手に自分がケアされているかを感じ取らせる。自分の価値が理解できるか、オープンになれるか、上手くなれるか。

■ACに求められる事
・HCへの忠誠心、HCの負担を減らしてあげること
・知識を見せびらかすより、選手達をどれだけ気にしているか。
・各選手の歴史を勉強する事(チームへ来たきっかけ、なぜここにいるのか)
・プレイヤーデベロップメントのディレクターをしている。スコットブルックスが選手にどうやってチームに貢献して欲しいかを明確にする 
・ACのうち、オフェンスコーディネーター(パット)とディフェンス(バディー)コーディネーターが一人ずついる
・選手が理解しているか、試合で出せるかを確認→練習メニューに持って帰る

■ウォームアップ
・1つのドリルにOff&Defも入っているものが好ましい
①何をしても良い選手(レブロンなど)(リーグで10%もいない)→試合に対してエネルギーコントロールは許される。夜7時にピークを持っていくためのリスペクトがチームで必要
②役割がある選手(90%以上の選手がロールプレイヤー)→役割の中で輝くことが出来るか→ワークアウト内でも
特に若手は役割の理解、準備が重要(八村選手など)

■若手選手へのアプローチ
・まずは自分をわかってもらうために、隠さずハッキリと素直に伝える姿勢を見せる
・NBAの中で将来像を見るときにNBA選手でクローンを作る。有名選手のルーキーの時のスタッツを見せたり、3年後は「君があの選手のようになれるんだよ」と見せたりする
八村→カワイ・レナード(手も大きい、身体能力があるなど)→レナードの一年目のスタッツを見せる。
フェットバンリークス(Gリーグ選手)→PJタッカーを目指す
・次に役割をチームからどのように期待されているかを伝える
Gリーグとの違いはフィジカルさ、IQの高さが圧倒的に違うので、準備が出来ていないと戦えない。
やりがいを互いに感じれるように「ワークアウトでやった事が試合に出る」ようになると信頼が深まる(3年かかる)

■若手のプレータイム
成績の悪いチームでないかぎりは試合に出られない。
以下の2つがちゃんとできるのか
・ディフェンスができる(1on1)
・オープンショットを決められる(レイアップ、ミドルレンジ、3P)
P&R、ウィークサイドディフェンス、ヘルプローテーションは後でついてくるもの
プッシュして崩せる選手(ジョンウォール)はいるのでシンプルに毎日それが出来るかがカギ

■メンタルアプローチ
コーチとして目の前の人をどれだけ上手くさせるかを毎日考えていた。選手が一番大切
・タフネス
・競争心
・何度も頑張れる(マルチエフォート)
レピティション(反復)はパニッシュメント(罰)ではない→ウォームアップから繰り返す

■日米の違い
日本人:まず相手をリスペクト
アメリカ:リスペクトを先に貰おうとする(話を聞かない)

■アシスタントコーチは自分のエリアを分担しコーチする
キューワードを繰り返し使って教えてあげる(スティックハンド!スタンス!など覚えやすいフレーズ)
選手達は「何か見たら言ってあげる」コーチだけでなく、選手も伝え合う事でチームが育つ

■メニューの組み立て
・個人ワークアウトは練習前、練習後はスポットシュートや戦術でのシューティング
・選手達にバレないようにディフェンスのウエイトを練習で多くする。
・競争心を煽る→時間とスコアを設ける
・ビデオを見せてプライドをコントロール(羞恥心を煽る)
・上手くて努力をする選手がいるときは練習の強度は高め易い(リクルート)

■ファンダメンタル
Fundamental の最初の文字はFUN。楽しくないといけない
レベル関係なく土台に戻る
・ディフェンス(マインドセットができているか、スタンスを続ける、タフネスはあるかなど)
・オフェンス(バランス、フットワーク、ピボット)→ボール持ったときにもできているか(ボールコマンド)→ここにシュートフォームが入ってくる

■選手に分かってもらいたい事
・NBA選手にはそれぞれの別の個人コーチが付いていて色々な知識などもあるが、チームに来た時に良いチームメイトになれるか、自チームなら他の4人、ベンチも入れると13人の気持ちを理解してプレーできるか
・ビリー・ドノバンコーチはNBAに入ったら一番必要なスキルはなにかと問われると→聴く力、「黙って」聴く力と言う
・NBAに入ったら3年はコーチの言うことを聞く事、4年目からはコーチが選手の言うことを聞く→はじめの3年は「試合に役に立たない」要項はハッキリと伝えて、コーチが教えたことが使えるなら素直に礼を言える選手でいて欲しい。
ワークアウトや指導の前にコーチは事前準備をちゃんと用意している
例)シーズン中にトレードで入ってくる選手がいた時
10分ビデオを作成し、こういうプレーを期待していると言う準備が出来ている
コーチ側でも選手を勉強して何を求めているかを伝えられる準備をする